【陸上】足を速くする練習は、疲れていない状態でしかできない
全力疾走の練習を、走り込みの後半に入れていないか。スプリントは疲労下では上達しません。
最高速度を上げる練習(スプリント)と、持久力を上げる練習(走り込み)は、体の中で別のシステムを鍛えています。そして最高速度は、100%に近い出力でしか改善しません。疲れた状態で走った30mは、遅いフォームを反復して定着させているだけになります。
実務的な原則は3つです。①スプリント練習は練習日のいちばん最初、アップ直後に置く。②1本の距離は20〜40mで十分。③本数より休憩。毎回、記録が落ちない状態で走れるよう、しっかり休みます。スプリント研究のレビューでも、まだ鍛えていない若い選手の加速練習の例として「20mを、間に2分の休憩をはさんで」走る形が挙げられています。物足りなく見えますが、これが正しい形です。
「もっとやらせたほうがいいのでは」と感じたら、それは量の不足ではなく、練習が短く終わることへの大人側の不安です。速さの練習は短く終わるのが正常で、量を積むのはその後の別メニューで行います。
小学校高学年で伸ばしやすいのは、筋力よりも動作です。腕の振り方、接地の位置(体の真下に置く)、上体の角度。同じレビューも、子ども時代は基礎的な動きを身につけるのに最も適した時期だとしています。ここに時間を使うのが合理的です。
スマホでの撮影は、真横・三脚固定・可能なら60fps以上で。追いかけて撮る(パンする)と、フォームの比較にはほぼ使えなくなります。10m区間を画面内に収め、カメラは動かさない。これだけで分析の精度が変わります。
親が気をつけること
「もう終わり?」と言わないこと。短く終わるのが正しい設計です。
出典・参考
- Haugen et al.(2019)|The Training and Development of Elite Sprint Performance: an Integration of Scientific and Best Practice Literature. Sports Med Open 5:44 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6872694/
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